富津岬周辺の海苔養殖施設付近での釣りについて

2016年 11月 30日 - カテゴリー: 釣りのヒント集

東京湾央、富津岬周辺の海苔養殖施設での釣りは禁止されています。

当船は海苔棚ゲームはやりませんのでご了承の上ご利用下さい。

以下、海苔棚付近の釣りの実情です

東京湾の遊漁船には、千葉県の水産課から海苔養殖施設へ釣り客を案内しない様、通知が出されております。遊漁船として登録していれば、当船だけに限らず、確実に通知が来ているはずです。

以下、該当部分のコピーです。

「遊漁船業者は、のり漁業者の操業に妨げとなるのり養殖施設並びに施設付近に利用者を案内しない事」

https://www.pref.chiba.lg.jp/suisan/documents/suisyourule_1.pdf

プレジャーボートの方々には通知は行ってないと思われますが、海苔養殖施設付近での釣りは禁止されているので、ルールは守って下さい。

現状では違反者の取り締まりは行われておりません。たまに漁協が警戒船を出して違反者に注意喚起をしていますが、罰則を伴う取り締まりは行われておりません。つまり、言われた時だけ止めれば良いと認識している船が多いです。

富津の海苔棚と言えば、大型シーバスの宝庫。昔は釣りをさせて貰えていた場所です。しかし、中には海苔網にルアーを引っ掛けてしまう人が居ます。それを回収出来ないからと、残してしまうと、後々に漁業者の作業の際に、手に針が刺さる事故が起きてしまいます。誰かを怪我をさせてまで釣らなければならない魚など、居ないのではないでしょうか?

漁業者の方も、毎日来る船を追いかけ回す程暇ではありません。警戒船が来て怒られる時だけ止めればいいと言う話ではありません。

数年前に、今は廃業した富津の某シーバス船が当船に近づいて来て、海苔棚での釣りは千葉県の船の話し合いで全船やらない事にしたから、おたくらも遠慮してくれと言われました。同じ東京湾の船とは言え、地元の船が主導してルールを守ろうというのなら、守らない選択肢はありません。当船も、海苔棚での釣りはやめました。

しかし、一か月も経たない内に、遠慮しろと言ってきた船が、海苔棚で釣りをしている姿を目撃。他にも千葉の船、数艇が海苔棚で釣りをしています。律儀に海苔棚での釣りを止めていた私がバカみたいです。後から聞いた話では、その合意は本当にあったとの事ですが、モノの1週間でルールを犯した船が居て、揉めた挙句、また皆で釣りをする事になってしまったとの事。非常に残念な話です。

当船も、その後当船だけが律儀にルールを守っているのが馬鹿らしくなり、海苔棚付近での釣りを再開しました。そんな中、横浜のアイランドクルーズさん、マスタッシュの徳永さん艇が頑なにルールを守って釣りを続けていました。どちらも私と同じく昔は海苔棚での釣りをしていて、その良さも知っている船です。どんなに他船が海苔棚付近で好釣果を上げていても、頑なにルールを守って釣りをする姿は私の心に訴えるモノがありました。例え釣果が振るわなくても、ルールを守って釣りをする。ルールを守った上で、大型を釣り上げたお客さんは、本当に嬉しいだろうな・・・と、想像できます。当船も良い事は真似しようと、あまり面識はありませんが先輩方に倣う事にしました。

海苔棚での釣りを止めてから思う事があります。ルールを守っている人が居る中で、ルール違反の釣りをして釣った魚に、どんな価値があるでしょうか?海苔棚付近で特にコノシロが絡み、魚が高活性の時の爆発力は同業者なら誰もが知る所です。知っててあえて行かない人が少なからず居るのに、ルールを犯して魚を釣っても自慢出来るモノではありません。そのルールが意味不明なルールならいざ知らず、ちゃんと理由あってのルールですので尚更です。

先日、海苔養殖施設を示す黄色ブイの外側で、コノシロがブリ・ワラサ・シーバスに追われていました。時折派手なボイルも出て、それはそれは良い状況でしたが、次第にコノシロの群れが黄色ブイの内側へ入ってしまいました。当船のお客様に、海苔養殖施設付近での釣りが禁止されている事、そしてルールを破る事で怪我をする漁業者の方がいる事を説明し、これ以上は追いかけませんと伝えました。快く納得して頂いたと思います。その後来た船が、違反エリアで釣りするのを横目に、断腸の思いでその場を後にしましたが、お客さんは私の想像以上にすんなりと納得して下さいました。

別の記事でも書きましたが、東京湾のスズキの資源量は下降の一途を辿っています。漁業・遊漁共に何の規制も無く、釣り放題の取り放題を続けているからです。最近は東京湾の水質も改善し、東京湾の魚に市場で値が付く様になりました。値の付く魚は漁業者が狙うので、東京湾のスズキにとっては湾内の水質が改善した事が、漁獲圧を高めてしまい、逆に生息数を減らす事に繋がってしまっているという皮肉な結果になっています。水産行政の資源管理の怠慢が主な原因なのですが、我々遊漁者にも責任の一端はあります。

東京湾のスズキの資源量が下降の一途を辿る中、富津の海苔養殖施設付近での釣りが禁止されている事は、歓迎すべき事だと私は感じています。あのエリアは産卵前後の大型のスズキが多く集まる場所であり、そこでの釣りが禁止されているという事は、スズキのサンクチュアリがあると言う事なのです。あの海苔養殖施設のおかげで、巻き網も操業が出来ません。スズキの資源保護のために設けられたルールでは無いのですが、実際はその様な効果が多分に期待できるルールが既にあるという事です。このルールを守らない手はありません。新たにルールを作ろうとなるとかなりの労力が必要ですが、既にあるルールをちゃんと皆が守れば、下降の一途を辿るスズキの資源保護に少しは繋がりますし、そもそも誰かを怪我させるリスクを冒してまで、遊びで魚を釣るのは間違いです。

最後に、繰り返しになりますが、富津岬周辺の海苔養殖施設付近での釣りは禁止されていますので、当船では目印の黄色ブイの内側での釣りはしませんのでご了承下さい。

2016-11-30  »  fishtokyo

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